彼女はときどきフランス語と遊ぶ
Elle joue avec les Français de temps en temps.
2013年11月12日火曜日
おすすめの仏仏辞典Dictionnaire du français
すばらしいフランス語の辞典とめぐりあってしまいました。
最近、またフランス語熱がぶりかえし、通勤電車の中や、寝る前などに、よくフランス語を読むようになったため、そろそろ辞書を新調しようかなあと思っていた矢先に、出会いました。
ジュンク堂のフランス語コーナーで、見つけました。
最初に見たとき、私がフランス語の独学を始めたころにはなかった新しい辞典だな、と思って、手に取ったのですが、はしがきを読んで、えっ、こんなの出てたの、と驚きました。
ひっくり返してみると、2011年4月1日初版発行、とあり、しばらくフランス語から離れていた私が、どうりで知らなかったはずです。
もう、その場で、購入を決めました。
でも、なぜ、私がこの新しい仏和辞典をすぐに気に入ったかというと、それには、実は、理由があります。
それは、はしがきを読んで、この仏和辞典が、私の大のお気に入りの仏仏辞典を、日本人向けにアレンジしたものである、ということが分かったからです。
というのも、大学受験生のころ、ロングマンやオックスフォードの英英辞典を使うようになってから、英語の力が飛躍的に向上した、という感覚がありました。
そこで、フランス語も、独学を初めて2年か3年目くらいからは、なるべく仏仏辞典を使うようにしていました。
ところが、最初のうちは、私のフランス語力では、仏仏辞典は、難しくてなかなか使いこなせませんでした。
ちなみに、当時使っていた仏仏辞典は、これです。
ところが、東京駅にあるオアゾに入っている丸善の洋書売り場で見つけた、ロベール・クレの仏仏辞典は、そんな私にも、すんなり使えたのです。
なぜ、この仏仏辞典だけが、そんなに使いやすかったかというと、それは、この仏仏辞典が、フランス語を外国語として学ぶ学習者のために編纂されたものだったからです。
つまり、フランス人のためのネイティブ用の仏仏辞典ではなく、フランス語を学ぶ外国人のための学習用の仏仏辞典だったのです。
フランス語を外国語として学ぶ学習者のため、という基本方針が、すみずみまで行きわたっているので、当然、フランス語を学ぶ外国人である私にも、とても使いやすかったわけです。
おそらく、ロングマンやオックスフォードの学習者用の英英辞典をお使いになったことがある方は、その感覚がすぐお分かりになるかと思いますが、同じ英英辞典でも、ネイティブが使う英英辞典はなんだかピンとこないけれど、学習者用の英英辞典だと、ピンとくる。
あの感覚です。
私が、英英や仏仏が好きなのは、その単語の本質がつかみやすいからです。
2013年5月9日木曜日
おすすめの仏仏辞典
私がもし、仏仏辞典をおすすめするとしたら、まちがいなく、Dictionnaire du français(LE ROBERT et CLE INTERNATIONAL) をおすすめします。
出会い
東京駅のオアゾに入っている丸善の洋書売り場で、この仏仏辞典に一目ぼれして以来、仏仏辞典は、これ以外はまったく使わなくなってしまいました。
たしか、その当時、8千円くらいして、ちょっと高かったので、書棚の前で、ずいぶん長いこと、迷った思い出があります。
それだけ迷ったのは、値段もさることながら、すでにその時点で、仏仏辞典は何冊か持っていて、どれも本棚で眠ったままでしたので、また無駄になるのではないか、と恐れたのです。
しかし、はしがきのフランス語を丹念に読み、裏表紙の説明もすべて読み、いくつかの単語を実際に調べて、その上で、明らかに、これまでの仏仏辞典とはちがう、という手ごたえがあったので、購入を決断したのでした。
以来、それまで持っていた仏仏辞典は、いっさい使わなくなってしまいました。
では、この仏仏辞典は、他のと、何がそんなにちがったのでしょうか?
フランス語を外国として学ぶ学習者のための仏仏辞典
それは、まず、この仏仏辞典が、フランス語を外国語として学ぶ学習者のために作られた辞書であるという点に、最大の特徴があります。
この最大の特徴は、はしがきの冒頭でも謳われていますし、裏表紙にも、「この辞書は、フランス語を母国語としないあなたのために特別に作られたものなのですよ」という呼びかけがあって、心をくすぐられます。
Le français nest pas votre langue maternelle.
Ce dictionnaire vous est spécialement desitiné.
つまり、フランス人が日常用いるための、ネイティブ向けの仏仏辞典ではなく、フランス語を学ぶ外国人が用いるための、学習者用の仏仏辞典である、ということです。
これは、仏仏辞典を選ぶ際においては、とても重要な視点です。
たとえば、私の最近の経験でも、ふだん洋書を読むのに愛用しているキンドル(Kindle)ですが、もともとデフォルトで入っている The New Oxford American Dictionary(NOAD)というネイティブ向けの英英辞典は、どうも意味がピンとこず、使いこなせませんでした。
キンドルは、もともとアメリカで普及し、アメリカ人が使っていたものなので、標準装備されている辞書も、とうぜんネイティブ向けの辞書だったのです。
ところが、Merriam-Webster's Advanced Learner's Dictionary という学習者向けの英英辞典に変更してからは、すんなり理解できるようになりました。
このあたりの詳細は、こちらの記事をどうぞ。
いずれにせよ、Dictionnaire du français が使いやすいのは、根本的には、それが、フランス語学習者向けに特化された仏仏辞典だからです。
説明や例文に使われているフランス語がやさしい
私が、この仏仏辞典を愛用する理由はいくつかありますが、大きな理由は、次の2点です。
ひとつめの理由は、説明や例文に用いられているフランス語がとてもシンプルで分かりやすい、という点です。
そもそも、私がそれまでの仏仏辞典を単なる書棚の飾りにしてきたもっとも大きな原因は、説明や例文に用いられている単語の意味が分からなかったり、構文が複雑で文意が取れなかったりすることでした。
いくら仏仏辞典を使った方が力がつく、と思ってがんばって仏仏辞典を使おうとしても、やはり、説明や例文じたいが難しいと、どうしてもいつのまにか使わなくなってしまいます。
その点、この仏仏辞典で使われるフランス語は、単語のレベルも構文も、非常に平易で、そこで使われているフランス語が分からないということが、めったにありません。
まれにあったとしても、それは知っておくべき重要単語なので、覚えようという気にさせられます。
使われているフランス語が平易であること、それが、この仏仏辞典を私が長年愛用しているひとつめの理由です。
単語の本質がつかみやすい
ふたつめの理由は、その単語の本質がつかみやすい、という点です。
どういうことかというと、仏和辞典に見られるような、その単語に相当する語句による単なる置き換えのような説明ではない、ということです。
たとえば、
「amour」を調べたとすると、ごく普通の仏和辞典なら、「愛、愛情、恋心」という単なる置き換えで終わります。
ところが、仏仏辞典だと、「誰かに対する強い親しみの感情や、誰かに性的に惹きつけられること」というように、その単語がもつ基本的な意味を定義にまでさかのぼって説明してくれるのです。
そのため、その単語の本質が、頭にすっと入りやすいのです。
おそらく、この感覚は、ロングマンやオックスフォードの、ネイティブ向けの英英ではなく、学習者用の英英を使ったことのある方なら、すぐに共感していただけるものではないかと思います。
さらに、Dictionnaire du français の場合は、そういった単語の語義の説明だけでなく、例文もとてもよいのです。
どういうことかというと、まず、例文は省略されたりせず、一文がまるごと書かれています。
しかも、その例文は、平易であるだけでなく、その単語の本質を一発ですとんと納得させてくれる、本当にいい例文が挙げられているのです。
語義の説明を読んだあとに、例文を読むと、なるほど、とつい大きくうなずいてしまうほどです。
学習者向けの仏仏辞典を用いる本来的な意味
ところで、先ほどひとつめに挙げた、説明や例文に用いられているフランス語がやさしい、という理由は、私にとっては、実は、仏仏辞典を使うのを阻害する要因にはならない、という消極的な意味しかもっていません。
それだけの理由なら、わざわざフランス語で書かれた仏仏辞典を用いたりせず、日本語で書かれた仏和辞典を用いればすむことです。
では、なぜそもそも、わざわざ仏仏辞典を使うかというと、ひとつには、フランス語脳を壊さずに済む、という点があります。
フランス語のペーパーバックを読んでいて、フランス語をフランス語のまま理解するというフランス語脳の状態になっているのに、そこで、仏和辞典を引いて、日本語が入ってしまうと、せっかく出来上がったフランス語脳状態が壊れてしまう、という感覚があります。
これが、すごく惜しいのです。
その点、仏仏辞典だと、ペーパーバックと行ったり来たりしても、フランス語脳状態は、いささかも損なわれません。むしろ、加速される感じすらします。
しかし、やはり、私が、Dictionnaire du français をずっと使い続ける最大の理由は、仏英辞典では味わえない、その単語のもつ本質的な意味をとらえやすい、という先ほどの2つめの点にあると思います。
2013年5月7日火曜日
フランス語⇔英語のフラッシュカード
フラッシュカードは、並べ替えて、高速・大量に反復することができるので、短期間に多くの単語を記憶するのに、とても適しています。
残念ながら、フランス語⇔日本語のものはまだないようですが、フランス語⇔英語のフラッシュカードが、いくつか出ています。
① 記憶しやすい
やはり覚えやすさは、抜群のようです。多くの方が、推奨しています。
② 1,000語と多い
市販されている同種のものの中では、最多の部類に入るようです。
同じ値段で50枚しかないものもある、というレビューもありました。
③ カテゴリー分けされている
形容詞・副詞・動詞・体・食べ物・飲み物・スポーツ・娯楽・勉強・家族・天気・時間・旅行・挨拶・色・服・数字など。
④ カラータグがついている
カードの上部に、カテゴリーごとのカラータグがついていて、それにより、たとえば、色について覚えたい場合は、色だけを集中的に覚えることができて便利なようです。
⑤ 通し番号がついている
カードには、1~1,000の通し番号が入っており、それにより、元の順番に戻すことができるようです。箱を開けたときに、カードをばらまいてしまって、苦労したけれど、元に戻せたという人のレビューもありました。
他方で、マイナス点として挙がっているのは、次の3点に集約されています。
① 発音記号がない
これがあれば☆5つにするというレビューがありましたが、まったく同感です。私もそうでしたが、学びたてのころは、発音記号がないと苦しいので、ぜひつけてほしかったです。
② 例文・類義語・文法など、解説がない
写真を見ると、たしかに、表には facil 、裏には easy と書かれているごくシンプルなつくりですが、暗記メインのツールなので、個人的には解説はなくていいような気がします。ただ、発音記号はほしかった。
③ 紙が薄い
☆2つをつけている人は、この点を最も気にされているようです。
さて、もっとも重要なのは、どんな単語が収録されているか、という点ですが、先ほどの fasil と easy のサンプルでも分かるように、ごく基本的なものに限られているようです。
実際に、レビューを見ても、4歳の子供にやらせた、とか、お子さんにプレゼントした、あるいは、第二外国語としてフランス語を勉強している、という大学生のコメントがあります。
いずれにせよ、ここに収録されている1,000語というのは、フランス語の初学者が最初に覚える、ごくごく基本的な重要単語であると考えていいようです。
さて、以上のことから、この French Vocabulary Flash Cards は、次の3点を満たす方には、たいへん便利なツールだと思います。
①仏検5級・4級レベルの1,000単語を、
②とにかく短期間で集中的に暗記したい。
③発音記号をカードに書き込む手間を惜しまない。
なお、日本のアマゾンで手に入るフランス語⇔英語のフラッシュカードは、この他にもいくつかあるようです。
2013年4月12日金曜日
『L'Étranger(異邦人)』の朗読CD
先ごろ、ずいぶん久しぶりに、L'Étranger(異邦人)の朗読CDを、聞きました。
というのも、周期的にぶりかえす、いつものフランス語熱がまた再発して、何となくフランス語が恋しくなったからです。
といって、フランス語のペーパーバックを読むほど、元気はない。
なにか、もっとこう気軽に、フランス語の響きを楽しめないかなあ、と思って、ごそごそ本棚を探しているうちに、ふと目に留まったのが、 L'Étranger の朗読CDだったのです。
L'Étranger は、フランスのノーベル文学賞作家アルベール・カミュの代表作のひとつで、もともと日本でもたいへん人気が高い作品ですが、
文学作品にしては、フランス語がわりあい平易なので、私もフランス語の独学を始めて、たしか3年目くらいで、辞書なしで、最後まで読み通せて、感激して記事を書いた記憶があります。
以来、L'Étranger は、定期的にフランス語が恋しくなる私が、もっともくり返し読んできたフランス語のペーパーバックでした。
ところで、
この L'Étranger(異邦人)のCDは、他ならぬ、アルベール・カミュ自身が朗読しているところが、最大の魅力です。
何年も前、東京駅にあるオアゾ内の丸善の洋書売り場で初めて見かけて、カミュ好き・異邦人好きの私は、いちもにもなく購入したのでした。
当時は、フランス語の聴き取りの教材にでもなれば、という感覚でいましたが、今では、すっかり、フランス語の響きが恋しくなったとき用のBGMになってしまいました。
フランス語は聴きたいけれど、ニュースではちょっと騒がしい、というような晩に、アルベール・カミュの低音ヴォイスが奏でるフランス語の響きは、他に代えがたいものがあります。
フランス語を勉強して、よかったなあ、と心から思える瞬間です。
2013年4月11日木曜日
サッカー選手によるフランス語の学習法
フランス語の学習法に関する、とても興味深い本を見つけました。
それは、学者さんの書かれた本ではなく、意外なことに、海外で活躍するサッカー選手が書かれたものです。
紹介記事によると、彼は、海外メディアのインタビューを英語でこなすだけでなく、フランス語も含め、7か国語が話せるそうです。
しかも、彼は、もともと英語は大の苦手で、まったくゼロからのスタートだったとのことです。
その本は、彼が、どうやって、英語をはじめ、フランス語など7か国語が話せるようになったのか、が書かれた本のようです。
さっそく興味を持って、アマゾンで調べてみましたが、なか見!検索で、目次を読んだだけでも、ちょっと心が沸き立ちました。
思ったのは、なにか一つの分野で極めた人というのは、ものごとの考え方、生き方がちがうんだな、ということです。
その考え方、生き方が正しければ、サッカーであれ、語学であれ、成功するのだ、と強く思わされました。
逆にいうと、私のように、何年やってもフランス語が上達しない者には、学習法うんぬんではなく、物事の考え方、生き方じたいに、根本的な問題があるのだろうと、反省させられました。
それにしても、なんて爽やかな青年なのでしょう。
本当に「英語を話したい」キミへ
目次
はじめに
言葉を話せることでより生活が楽しくなる
INTRODUCTION
僕は英語ができなかった
英才教育には縁がなかった
宿題と試験勉強が大嫌いで、飽きっぽかった
6年間やっても、全然しゃべれなかった
それでも、諦められなかった
CHAPTER① TRY
色々な学習法にトライ、試行錯誤の日々
基礎の参考書からトライ
単語力のパワーアップにトライ
英会話学校にトライ
海外旅行にトライ
とにかくしゃべることにトライ
英語の曲を聴くこと、歌詞の翻訳にトライ
英語の本は必ず朗読!にトライ
イタリア語にもトライ
これが一番大事! モチベーションの持続にトライ
トライした結果、何が見えたのか
CHAPTER② ATTACK
英語をわかり始め、よりステップアップへ
失敗を恐れず、話しかける勇気をもつことへのアタック
生活の中でボキャブラリーを増やすアタック
日常を授業に変えるアタック
会話のテンポを速くするアタック
自分の言葉としてしゃべるアタック
言葉の力を自信に変えるアタック
アタックした結果、何が見えたのか
CHAPTER③ CHALLENGE
海外移籍。英語力もアップ、多言語もマスターへ
海外チームへの移籍にチャレンジ
失敗を楽しむチャレンジ
立ち止まらずに、どんどんしゃべっていくチャレンジ
広く深く、多言語を並行してレベルアップしていくチャレンジ
人を巻き込んでのコミュニケーションにチャレンジ
文化をより深く理解し合うことにチャレンジ
視野をより広く持ち、可能性を広げるチャレンジ
幸せの尺度は自分が決める
未知の世界に恐れず羽ばたくチャレンジ
チャレンジをした結果、何が見えたのか
おわりに
語学を通して新たな世界と出逢う
本当に「英語を話したい」キミへ
2012年12月16日日曜日
「勝手に仏英対訳読書法」
数年ぶりにフランス語の本が読みたくなって、ぶらりと出かけた、新宿の紀伊國屋6階の洋書売り場で見つけた Le Voyage D'Hector Ou Le Secret Du Bonheur というペーパーバックに、今、はまりに、はまっています。
かつてのように、毎日、フランス語を読む、といった習慣はすっかりなくなってしまいましたが、やはり、定期的に、フランス語熱は、ぶりかえします。
そんな中でたまたま出会った、このペーパーバックは、びっくりするほど、読みやすくて、私のフランス語熱は、いっきに再燃してしまいました。
しかし、いくら読みやすい、といっても、そこはフランス語、英語のようにはスムーズにはいきません。
そこで、私は、フランス語で1章を読んだら、英語版で確認する、という、いつもの「勝手に仏英対訳読書法」をとることにしました。
この「勝手に仏英対訳読書法」は、かつて読んだ、生涯に10数か国語を操り、フランス語はわずか6か月で自由に読み書きができるようになった、シュリーマンの多言語取得法をヒントに、自分なりに続けてきたものです。
英訳の方は、キンドル版が出ていたので、キンドルで読むことにし、寝る前に読んだフランス語の原書を、翌朝、電車の中で、キンドルの英語版で確認する、という作業を続けています。
フランス語だけだと、ところどころ、ぼんやりしているところが残りますが、英語版で確認すると、なるほど、そういう意味だったか、とはっきりしたり、あるいは、ちゃんと読めていることが確認できたりと、なかなか便利です。
世の中には、たくさんの対訳本が出ていますが、その多くは、フランス語と日本語の対訳ですし、どうも勉強っぽくなってしまううえに、そもそも、その本じたいにあまり興味がもてなかったりすることが多いです。
でも、キンドルを使って、自分で勝手に仏英対訳にしてしまう「勝手に仏英対訳読書法」なら、自分の読みたいものが好きに対訳にできるので、なかなか便利です。
もちろん、ちゃんとした本家の対訳本のように、見開きでフランス語と英語が対訳になっているわけではないので、精読には向きませんが、楽しく読めればそれでいい、という適当な多読には、もってこいの方法です。
それにしても、英語で読むと、 Le Voyage D'Hector Ou Le Secret Du Bonheur が、いかにやさしいフランス語で書かれているかが、よく分かります。
たぶん、感覚的には、センター試験レベルの英語だと思われます。
何日かに分けて、寝る前にちびりちびり読んだフランス語の1章分が、英語で読むと、わずかな通勤時間のの中であっさり読めてしまいます。
いつかフランス語も、読めるかどうかを気にせず、読みたいと思う本が自由に読めるようになれたらな、と痛感させれます。
2012年12月15日土曜日
キンドル(kindle)とフランス語
日本版キンドル(kindle)を買いました。
さっそく、キンドルで、フランス語がどれくらい使えるかを、調べてみることにしました。
(1) フランス語の本は何冊くらいあるか?
まず、kindleストアにいって、フランス語の本が何冊くらいあるか、調べてみました。
Kindleストア › Kindle本 › Kindle洋書 › フランス語(French)›
2012年12月時点で、検索結果は、 20,727 件でした。
英語の洋書は、1,356,185 件でしたから、フランス語は、6分の1か、7分の1程度です。
(2) どんなフランス語の本があるか?
検索結果の上位に出てくるのは、多くは、ベルヌや、フローベルや、スタンダールなどの古典が多い印象です。
古典は、ほとんど 0 円というのが、魅力的ではありますが、本格的過ぎて、残念ながら、私のフランス語力では、ちょっと歯が立たない感じです。
ただ、上位ランキングの中には、日本人にもおなじみの、私も持っている、Le Petit Princeや、L'étrangerもありました。
L'étranger にいたっては、キンドル版はなんと、100円!!と格安でした。
(3) 初心者向けのやさしいフランス語の本があるのか?
さて、いちばんの問題は、この私にも読めるような、初心者向けのやさしいフランス語の本があるのか、という点です。
まずは、児童書に行ってみました。
Kindleストア › Kindle本 › Kindle洋書 › フランス語(French) › teens›
すると、検索結果は、1,282 件。
これを多いと見るか、少ないと見るかは、微妙なラインですが、国内の大型書店の洋書売り場に、これだけの数の児童書があるかどうかを考えると、十分な感じもします。
ラインナップを見ても、なかなか楽しめそうです。
なにより、100円などと、安い本が多いのが、魅力的です。
(4)フランス語の辞書は、何があるのか?
さて、やさしめのフランス語の本があるとして、次に問題となるのは、フランス語の辞書があるのか、という点です。
キンドルには、画面上の単語を指で触れば、意味がポップアップされるという、たいへん便利な機能があります。
この機能は、本当に便利で、いちど味わったら、やめられません。
ですから、もし、キンドルにも、ちゃんとしたフランス語の辞書が、つまり、仏英や、仏仏ではなく、仏和辞典があるならば、フランス語を多読する環境は、格段に向上します。
調べてみると、
残念ながら、現段階では、仏和辞典はないようです。
しかし、Webster や、Collins の仏英辞典は、いくつか存在するようなので、まずは、ひと安心です。
それにしても、キンドル版は、辞書が、1コイン程度と、安いのが、うれしいです。
(5)フランス語を読むうえで、キンドルが便利な点と不便な点は何か?
最後に、フランス語を読むうえで、キンドルが便利だと思われる点と、不便だと思われる点をいくつか列挙してみたいと思います。
便利だと思われる点
① まだ数は少ないとはいえ、現時点で、児童書だけで 1200冊、全体でも、2万冊のフランス語の本が、大型書店の洋書売り場に行かなくても、簡単にダウンロードできるのは、やはり貴重である。
② キンドルには、サンプル機能があるので、最初の数ページが立ち読み感覚で、無料で読める。
これは、とくに、おもしろいかどうかよりも、そもそも読めるかどうかが気になるフランス語初心者には、ありがたい機能である。
③ キンドル版の仏和辞典がないのは残念だが、仏英辞典があるので、単語に触れるだけで意味がポップアップされるキンドルの機能は、本当に便利である。
しかも、キンドル版の辞書は、紙の辞書にくらべて、1コイン程度と、格段に安い。
④ フランス語だけでなく、英語の洋書、あるいは、和書も、キンドル一冊で持ち運べるのは、通勤時に読むことが多い人には、何冊も持ち運ばずに済み、便利である。
不便だと思われる点
① やはり、フランス語のコンテンツ数がまだ豊富とはいえないのが、残念。
② 仏和辞典がないのも、残念。
③ 日本語で書かれた、フランス語の参考書が読めればいいのだけれど、現段階では、まだない。
④ しかし、私が考えるキンドルの最大の問題点は、英語でも、フランス語でもなく、他ならぬ日本語のコンテンツ数が、圧倒的に少ない、という点です。
いずれ、増えていくものと期待していますが、今は、町の小さな書店にも負けるくらいの品ぞろえの貧弱さで、あの本も、この本も、キンドルで読めたら幸せだな、と楽しみにしていた本は、ひとつもありませんでした。
アマゾンで扱われている和書が、すべてキンドルで読めるわけではないので、その点は、注意が必要です。
結論
英語の洋書を読むことをメインとし、フランス語や、和書は、補助的に読む、という人には、現段階のキンドルでも、たいへん便利です。
しかし、フランス語の本を読むことをメインにしたり、専門的な和書やマイナーな和書を読むことをメインにした場合、現段階のキンドルでは、ちょっと厳しい、というのが、私の印象です。
キンドルで読める和書
キンドルで読める洋書(英語)
キンドルで読める洋書(フランス語)
キンドルで読めるフランス語の児童書
2012年12月12日水曜日
紀伊國屋の洋書売り場で
新宿南口にある、紀伊國屋書店6階の洋書売り場で、びっくりするほど読みやすいフランス語のペーパーバックを見つけました。
平積みされた、その美しい装丁のフランス語のペーパーバックは、
Le Voyage D'Hector Ou Le Secret Du Bonheur という本です。
まだフランス語の力が不足している私は、冒頭の第1パラグラフがすんなり読めるかどうかを、フランス語の本えらびの、いちばんの決め手にしています。
ですから、この本を手にしたときは、あった! と心の中で小さく叫びました。
なぜなら、冒頭の第1パラグラフどころか、1ページがすんなり読めてしまったからです。
Il était une fois un jeune psychiatre qui s'appelait Hector et qui n'étais pas très content de lui.
第1パラグラフは、上のように、わずか1文でしたが、あまりに平易なフランス語なので、胸がどきどきしてきました。
しかも、どことなく、とぼけた感じのするフランス語の文体が、親しみを増してくれています。
つづく第2パラグラフは、下のような、人物描写でしたが、tortillait など見慣れぬ単語もありましたが、フランス語の平易さは、少しも損なわれませんでした。
Hector n'était pas content de lui , et pourtant il ressemblait à un vrai psychiatre :
il avait de petites lunettes cerclées qui lui donnaient l'air intellectuel ,
il savait écouter les gens d'un air pensif en faisant " mmh... " ,
il avait même une petite moustache qu'il tortillait quand il réfléchissait très fort.
このようにして、1ページがすんなり読めてしまった時点で、私は、興奮のあまり、手にしたペーパーバックをパタンと閉じ、購入することを心に決めました。
これだけ平易な単語と構文がこのままずっと続いてくれるなら、まだフランス語の力が未熟な私でも最後まで読み通せる、と確信できたからです。
「外国人学習者向けのフランス語読本」というわけではなく、「フランス人向けのペーパーバック」で、これほど平易なフランス語で書かれているものは、そうそうありません。
私の本箱には、途中で、挫折したフランス語のペーパーバックがたくさん眠っていますが、今度こそ、最後まで読める、と自信を抱かせてくれる、屈指の読みやすさです。
家に帰って、さっそく調べてみると、
この Le Voyage D'Hector Ou Le Secret Du Bonheur の著者である、フランソワ・ルロール(François Lelord)という作家は、主人公と同じように、フランスの精神科医のようです。
幸福はどこにある‐精神科医へクトールの旅 という邦訳もあり、どうやら、フランスではベストセラーになったこともある、有名な本だったようです。
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