2012年12月12日水曜日

紀伊國屋の洋書売り場で



新宿南口にある、紀伊國屋書店6階の洋書売り場で、びっくりするほど読みやすいフランス語のペーパーバックを見つけました

 
平積みされた、その美しい装丁のフランス語のペーパーバックは、


  Le Voyage D'Hector Ou Le Secret Du Bonheur という本です。


まだフランス語の力が不足している私は、冒頭の第1パラグラフがすんなり読めるかどうかを、フランス語の本えらびの、いちばんの決め手にしています。


ですから、この本を手にしたときは、あった! と心の中で小さく叫びました。


なぜなら、冒頭の第1パラグラフどころか、1ページがすんなり読めてしまったからです。


   Il était une fois un jeune psychiatre qui s'appelait Hector et qui n'étais pas très content de lui. 



第1パラグラフは、上のように、わずか1文でしたが、あまりに平易なフランス語なので、胸がどきどきしてきました。


しかも、どことなく、とぼけた感じのするフランス語の文体が、親しみを増してくれています


つづく第2パラグラフは、下のような、人物描写でしたが、tortillait など見慣れぬ単語もありましたが、フランス語の平易さは、少しも損なわれませんでした。 


 Hector n'était pas content de lui , et pourtant il ressemblait à un vrai psychiatre :

 il avait de petites lunettes cerclées qui lui donnaient l'air intellectuel , 

 il savait écouter les gens d'un air pensif en faisant " mmh... " ,

 il avait même une petite moustache qu'il tortillait quand il réfléchissait très fort.


このようにして、1ページがすんなり読めてしまった時点で、私は、興奮のあまり、手にしたペーパーバックをパタンと閉じ、購入することを心に決めました。


これだけ平易な単語と構文がこのままずっと続いてくれるなら、まだフランス語の力が未熟な私でも最後まで読み通せる、と確信できたからです。

 
「外国人学習者向けのフランス語読本」というわけではなく、「フランス人向けのペーパーバック」で、これほど平易なフランス語で書かれているものは、そうそうありません。


私の本箱には、途中で、挫折したフランス語のペーパーバックがたくさん眠っていますが、今度こそ、最後まで読める、と自信を抱かせてくれる、屈指の読みやすさです。

 
家に帰って、さっそく調べてみると、


この Le Voyage D'Hector Ou Le Secret Du Bonheur の著者である、フランソワ・ルロール(François Lelord)という作家は、主人公と同じように、フランスの精神科医のようです。


幸福はどこにある‐精神科医へクトールの旅 という邦訳もあり、どうやら、フランスではベストセラーになったこともある、有名な本だったようです。